介護とお世話することの違い

 お年寄りや障害者の方のできない部分を介助する。これはお世話であって極端に言えばこれは介護福祉士がする介護とはいえません。なぜならば、自立支援の観点から介護を行わなくてはならないからです。

  ただ単にできないことをやってあげる、これは良いことのように思えますが、その人本人のADLを低下させてしまう場合があります。

ADLとは

  ADLとは「Activities of Daily Living」の略で食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、整容など、日常の生活を営むうえで必要な基本動作すべてを指します。「日常生活活動」、「日常生活動作」、「日常生活行為」などとも呼ばれているものです。

  このADLが下がるということはどういうことかというと「寝たきりの人を作る」ということになるのです。

 出来ないことを出来るよう支援していくことが必要であり、出来ないことをお世話するだけでは体を動かさない状態が続くことになり、本来持っている残存機能が低下し様々な障害を起こす廃用性症候群になってしまいます。

  痴呆老人の介護を例にあげれば、家族がするお世話というのは介護福祉士の行う介護技術を使った介護ではなく、日常生活の世話をしていることとなります。 介護技術は生活の介護援助であり、世話というのは生活の一部です。

専門化が行う介護とは

  専門家が行う介護というものは全人的な介護で、科学的根拠に基づいて行う技術となり、世話というものは家族との人間関係でなっているものでそこから生まれる生活の営みとなります。

  そこから分かることは介護というものは計画を持って行うことで、世話は家族の工夫によって行われていること、という捉え方が出来るでしょう。介護と、一口に言っても、これほどの意味の違いが出てきます。

  家族の行う世話には、そこに家族の満足感なども出てくるため、専門家である医師やそこで働く介護福祉士などは世話をする家族に介護を教育していく必要があります。