現場での事例と対処

ここでは主に通所介護福祉施設での出来事について書いていきます。

 送迎時において通所者さんが、その道を行くと近いよ等と教えてくれることがよくありました、実際は別の道のほうが近かったりするのですが、送迎時間などに特に支障や問題がないとき等は、知っていてもあえて知らない振りをして「ありがとう」と言いながら、その道をとおります。

 それは通所者さんの優しさから出た言葉です。あるときは同じように「○○さんの家に行くならこっちの道が近いよ」と言うと、別の利用者さんが「こっちを通ることもできるのよ」と教えてくれます。そこで今日はこちらの道を行ってみましょうなどと、会話をしながら送迎をしていました。

 こういった優しさのあるやりとりは、現場においては珍しくなく、なんでもないことなのですがこのようなことの積み重ねでその利用者さんとの信頼関係がなりたっていくものだと思います。

 優しさを受け止めることが出来ない人が多い昨今ですが、こういった気持ちの優しさを黙って受け止める些細なことで気づきづらいことを今現在の現場では要求されます。

  言葉使いなどはよく「敬語を使いなさい」と言われます。実際、中には敬語を使い、椅子に座って通所者と話をするときは必ず片方のひざをつき話さなくてはいけないというところもあるようです。ですがほとんどのところは「言葉使いに気をつける」程度ではないでしょうか。

 筆者も通所者と話をするときは「○○ちゃん、元気だった」「あっちのホールに一緒にいきましょ」などと話をしています、何故このように話せるかと言うとやはり信頼関係ができているからです。

 勿論、常に相手に対し敬意を払うことはわすれません。では何故「敬語」を使わなければならないのか、それは通所者に対してというよりは、外部の人間から見られたとき、どうなるかとうことなのです。

 この外部の人間と言うのは、見学に来ている人、実習生、家族など、普段の施設を余り知らない人たちのことです。彼らから見れば私たちが通所者と築いた信頼関係はすぐにはわかりません。

 そんな時冗談でも自分の親が「○○ちゃんげんき」などと言われていたらほとんどの家族の人は良い気分はしないでしょう。かりにその通所者が「○○ちゃん」と呼ばれるのが昔の友達を思い出させてくれる呼び方で気に入っていたとしても、です。

 ですから「敬語を使え」とまでは言いませんが、言葉使いはほどほどに気をつけましょう。誰が聞いているかわかりません、また当然通所者さんにも失礼になってもいけませんから。

 中で働いていると、本人の気持ちだけではなく外部の人たちの立場なども出てきます。そこには矛盾が生じていることもあって、納得のいかないこともありますが、その時は言っている人の立場、気持ちを考えると良いかと思います。