家族が望む介助

 老人介護福祉士施設などでよく見られる家族(親族)の傾向があります。それは、遠く離れていて普段自分では介護をせず、他の家族や親戚に任せきりにしている人ほど要望や苦情が多いという特徴です。これは施設に対してばかりではなく、介護をしている家族に対しても、自分では決して介護をしない人は限界なくいいます。

  実際に医療現場であった話では、高価そうな毛皮のコートを来た奥さんが意識不明のまま眠りつづけている夫のお見舞いにきて「今死なれると、年金がとめられるのでどんな形でもいいから死なせるな」とだけいって帰っていったそうです。そこには見苦しい人間の1つの本性も見えますがきっとそういうだけの事情もあるのかと思います。

  また、体の体調が優れない娘さんが母親を介護している家庭で、我々介護スタッフや、相談員がどこかに入所したほうが娘さんも介護されている方もよいのでは、と言えるケースがありました、実際に施設の相談員やケアマネージャーも娘さんに勧め、本人もそのほうが良いと感じていたのですが、その姉が近くにすんでいて、その方は妹が困っているときもけして母親を自分の家に呼んで介護したり、家までいって介護する事のない人でしたが、その人の反対により施設へのショートステイさえもなかなか利用出来ない状況でした。

 この姉にとって望む介護はどのような理由かはわかりませんが妹が介護することが望みだったようです。それが手厚い介護という誤った認識であったとしても、日本ではそれが美徳されている部分の垣間見える瞬間でもあります。

  これらはかなり極端な例ですが、一言で家族が望む介護といっても千差万別です。

  通所リハビリテーションに来ている方の奥さんが「うちの夫は食べるときに○○してくれ、ベッドに臥床するときXXしないとねむれない、家ではいつも私がそうしてる。だから施設でも同じようにやってくれ」という人がおられます。

  しかし施設は家ではありません、家と同じようにすることも大事ですが、せっかく外出ているのですからちがったやり方もよい刺激になるです、また介護をうける本人は以外と違うやり方でもなんとも思っていないことがほとんどです。

  違う項で述べていますように、お世話と介護は違います。
ですが、このような方たちは、ほんとに一生懸命介護をしているということなのです、このような方たちは自分がやっているからこそ言えるのです。そしてこのような介護者は介護することに生きがいを感じている方もいます。

  通所介護福祉施設やショートステイを利用する理由に介護疲れの解消もあげられています。どんなに愛情をもって介護していても24時間365日ずっとでは精神的肉体的にも消耗してしまいます、そうなれば、介護者にとても介護される側にもよいことはありません。虐待につながる可能性もあります。

  介護者(家族)が望むものはさまざまです、必ずかなえられるものでもありません、しかしどのように介護していけばよいかをアドバイスすることはできます、まずは話を聞きできるもの出来ないものをきちっと分け、それぞれの理由を説明することが大切です。

  そうして、家でのお世話の質をあげ、要介護者にとって本当に役に立つ介護にすることが大事なのです。